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2016-05-29

ペットボトルの河

これは東南アジアでもアフリカでもなく、日本、それも東京の光景だ。東京の荒川河口のプラゴミ集積地

河原を覆うプラゴミ

今日は、スカイツリーがバックに映る、荒川河口にテレビの取材が同行し調査に行った。テトラポットのこちら側は一面大量のプラスチックゴミで埋めつくされている。その大半はペットボトルだ。この場所は車でアクセスもできず、誰かが不法投棄したものではない。満潮時には水につかる場所であり、これらのプラスチックゴミは、川から来たものだ。荒川の流域でポイ捨てされたり、ゴミ箱から溢れたプラゴミが雨で洗い流され、川を浮いて流れて、ここに打ち上げられているのだ。

大量のペットボトルの漂着ペットボトルはリサイクル率が86%と一番高い製品である。しかし、使う量が増えれば増えるほど、リサイクルされずに川や海に流れ込むペットボトルが数が増えることをこの光景は物語っている。とにかく、もとを絶つこと、ペットボトルの使用を極力控えることが必要だと思う。大手ビールメーカーがビールをペットボトルで販売することを検討していると新聞記事で見た。とんでもない話しだ。この光景を見れば、ビールをペットボトルで販売することが愚かなことだと気がつくのではないだろうか。

Microplasticsこれらのプラスチックは紫外線や波の力で、細片化、微細化して、マイクロプラスチックとなる。実際にペットボトルなどの大きなプラスチックゴミの周辺をよく見ると、おびただしい数のプラスチック片、マイクロプラスチックが散乱している。形や色は東京湾で観測されるものに似ている。東京湾のマイクロプラスチックは、流域の陸上、私たちの生活からもたらされたものだ。日本周辺の海域のマイクロプラスチックが世界平均の30倍だという観測結果から、「それらは中国や東南アジアから海流で運ばれてきたからだ」と言って、「自分たち日本人は排出者ではない」というようなことが言われることもある。しかし、それが間違いであることも、この写真は物語っている。もちろん黒潮に乗って流れてくるものもあるだろう、しかし、東京湾について言えば、マイクロプラスチックの大半は流域から排出されたプラスチックがその起源であろう。我々自身の陸上での使い捨てプラスチックの使いすぎが原因なのである。No single-use plastics!

荒川河口の鳥

これらの大小様々なプラスチックは、鳥やカニ、魚、貝など生物がその大きさに応じて取り込んでしまう。この場所にもカニはいるし、鳥もいた。プラスチック摂食によるそれらの生物への影響も懸念される。さらに、魚貝類に取り込まれれば、それを食べる人間への影響も懸念される。プラスチックの多用は、自分たち自身の首をしめてしまうことも理解していただきたい。使い捨てのプラスチックを減らしましょう。

 

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